足助伝建ガイドライン

町並み保存の基本的な考え方

 

町並み保存の基本的な考え方は、伝統的建造物群保存地区内の建物などについては、通り、 足助川沿い、周囲の山などから見える部分の景観について特に配慮することとなっています。

 

具体的には町並みを保全するため、修理基準による伝統的建造物の修理と修景・許可基 準によるその他の建造物などの修景に努めることです。また、修理・修景事業による建物 の整備とともに住民の生活環境を改善したり、空き家等の活用を図り、若者や高齢者が住 みやすい、生活感のあるまちづくりを行っていきます。

用語解説

◆平入とは通りに対して建物の屋根の棟が平行なものをいいます。

◆妻入とは、通りに対して建物の屋根の棟が垂直なものをいいます。


町並みの特徴

 

足助の町並みは、3つのエリアで特徴が異なります。伊那街道沿いは、重厚な町家が建ち並び意匠の意識が高い格子や建具が使われ、足助川沿いや伊那街道の背後は、居住の建物が多く 比較的シンプルな意匠といえます。したがって、足助の特徴的景観を作っている伊那街道沿いは、最も景観を重視するエリアといえます。


街道沿いの建物の特徴

 

庇屋根以下は木部をあらわし、2階の壁面と軒裏を漆喰で塗込めているのが特徴です。


1階の庇屋根以下は木部をあらわし、2階の壁面と軒裏を漆喰で塗込めています。霧除が2階にも付くのも特徴です。


1階開口部には格子、2階開口部は木製手摺が付いているのが特徴です。

用語解説 

◆大壁と真壁の違いとは 壁に囲われて柱が見えないものを大壁といい、柱が見えるものを真壁といいます。


川沿いの建物の特徴

 

川岸に石垣を築き、石垣から川にせり出すように座敷などが建てられ、2階開口部には手 摺が付いているのが特徴です。


街道の背後の建物の特徴

 

街道沿いとは違い開口部が少なく、シンプルな意匠が特徴です。


全域にみられる建物の特徴

 

柱や軒裏以外の正面は漆喰仕上げをしているのが特徴です。


外壁については、腰壁がささら子下見板貼りやなまこ壁で、2階は漆喰で仕上げています。2階開口部は瓦屋根庇が付くのが特徴です。



※「足助伝建ガイドライン」(豊田市教育委員会発行)より。